気候変動への考え方

SUBARUの事業は、生産段階やSUBARU商品の使用段階で多くのエネルギーを必要とし、現在その大半を化石燃料に頼っています。SUBARUの主要市場である日本、米国、カナダ、オーストラリア、欧州、中国などの各国政府は自動車燃費規制やCO2排出規制を設けており、この影響を直接的かつ継続的に受けていると同様に、生産の過程で工場などが消費するエネルギーについても省エネ法などの影響を受けています。
SUBARUは2℃シナリオの実現に貢献するため、行動指針の根幹である「環境方針」を見直す契機として、2017年4月、約7年ぶりの改定を行いました。改定後の環境方針は、社会とSUBARUの持続可能な成長を図るため、中長期的視野で気候変動に取り組むことを宣言。この方針に基づき、2018年7月公表の新中期経営ビジョン「STEP」や同年6月の事業報告で、中期的視野での具体的取り組み目標を公表し、着手しています。
その一環として、SUBARUが直接排出(スコープ1,2)するCO2を2030年度までに総量ベースで30%削減(2016年度比)を目指す旨を公表しています。また商品の電動化など、SUBARU商品の低炭素化に向けた方向性については、新中期経営ビジョン「STEP」でも公表しています。

環境:【TOPIC】CO2削減チャレンジ

気候変動に関するリスクと機会

製品環境規制の導入・強化は経営環境における主要なリスクであると考えられます。例えば、排ガス規制、CAFE基準(企業平均燃費基準)などの燃費性能向上の要求や、販売台数に占める電動車をはじめとした次世代環境対応車両の販売比率に関する基準(例:ZEV規制)の導入・強化などが挙げられます。
これらの規制強化が進む日本、米国、欧州などにおける自動車販売台数が全体の80%以上を占めるSUBARUでは、規制に対応できない場合、収益機会の損失やコスト増加に影響を及ぼす可能性があります。
一方、SUBARUが90%を市場に投入している主要戦略車であるAWDは、2WDのFF車、FR車と比較し、昨今の気候変動に対して、大きな機会を得ていると考えています。その大きな理由として、集中豪雨後の悪路対応や豪雪による圧雪路面などに対し、AWD特有の走行安定性が2WDと比較し非常に良いからです。安全・安心な走行が可能なクルマであるという認識が広がり、販売機会の増加につながる可能性があります。

SUBARUグループが関与する温室効果ガス排出量

サプライチェーン温室効果ガス排出量

2017年度のサプライチェーン温室効果ガス排出量は2,925万t-CO2となりました。
SUBARUは、環境省の「環境情報開示基盤整備に向けたサプライチェーン温室効果ガス排出量算定支援」事業に参加し、株式会社NTTデータ経営研究所からスコープ3算定支援を受けました。 今後も、排出量の把握、管理を進めていきます。

CO2排出量(スコープ1スコープ2

CO2排出量

対象範囲

(株)SUBARU

国内グループ会社:
輸送機工業(株)、富士機械(株)、イチタン(株)、桐生工業(株)、(株)スバルロジスティクス、産業機器(株)、SUBARU販売特約店
海外グループ会社:
Subaru of Indiana Automotive, Inc.、Subaru of America, Inc.、Subaru of Canada, Inc.、Subaru of Mississauga, Inc.、Subaru Research & Development, Inc.

<集計範囲および排出係数の変更>
本年度よりCO2排出量データの充実を目的に、SUBARU販売会社を追加しています。
同時にSUBARUおよび国内グループ会社に通用する排出係数について、当社独自の排出係数から地球温暖化対策の推進に関する法律の排出係数に変更しています。
この影響については、2013年度に遡って変更後の方法で修正再表示を行っています。

CO2排出量(スコープ3

スコープ3詳細

区分 カテゴリ 温室効果ガス排出量(t-CO2 算定範囲、他
上流 1 購入した製品・部品・サービス 7,251,192 国内と海外
2 資本財 463,638 国内と海外
3 スコープ1、2に含まれない燃料
およびエネルギー関連活動
81,818 国内と海外
4 輸送、配送(上流) 1,252,378 国内と海外
5 事業から出る廃棄物 28,776 国内と海外
6 出張 4,361 国内と海外
7 雇用者の通勤 11,766 国内と海外
8 リース資産(上流) - 非該当
下流 9 輸送、配送(下流) - 非該当
10 販売した製品の加工 4,200 国内と海外
11 販売した製品の使用 18,806,767 国内と海外
12 販売した製品の廃棄 593,463 国内と海外
13 リース資産(下流) - 非該当
14 フランチャイズ 56,056 国内と海外
15 投資 - 非該当

生産における取り組み

SUBARUは、エネルギーの使用の合理化等に関する法律に基づき、中長期目標を掲げ、定量的に照明機器をはじめとして設備・装置を省エネルギー機器へ交換を実施し、CO2削減に取り組んでいます。

省エネルギーの取り組み

コージェネレーションシステム導入

エネルギーのさらなる有効利用を図るため、スバル総合研修センターでは2015年12月に、ガスコージェネレーションシステムを導入しました。

ガスコージェネレーションの燃料となる都市ガスのクリーン性や廃熱の有効利用により、従来のシステムに比べて、CO2の排出量を約3分の1削減する効果があります。

スバル総合研修センターに設置されたコージェネレーションシステム

最新の省エネ設備を導入

自動車の塗装工程では「温める」「冷やす」を繰り返す必要があり、大量のエネルギーを必要とします。そこで群馬製作所矢島工場では、ヒートポンプを中心とした高効率の熱源システムを2018年に新たに導入し、従来技術(個別熱源システム)に比べて、温冷熱を効率良く作りだしています。
これにより、一層の省エネとCO2排出量の削減に取り組んでいきます。


物流における取り組み

SUBARU車の輸送における環境負荷の低減

SUBARU車の輸送を随時見直し、最適な輸送標準ルートを設定、モーダルシフトの推進、輸送する完成車の車種構成の変化、車両の大型化への柔軟な対応による積載効率向上、省エネに寄与するデジタルタコグラフ導入など、輸送の効率化を進めることで環境負荷低減に努めています。

近年は首都圏高速道路網の整備と共に、効率的に高速道路を使用し、完成車輸送における使用燃料(燃費向上)や排出CO2の削減を図っています。
2017年度は、SUBARU車1台当たりの輸送時CO2排出量は、2006年度比毎年1%減の目標に対し8.3%減となりました。今後もさらなる削減に向けて取り組んでいきます。

SUBARU車の海外生産部品の輸出における環境負荷削減の取り組み

ラウンドユースの導入

ラウンドユースとは、輸入に用いた後の空の海上コンテナを港に戻さず輸出に転用するもので、輸入者から輸出者に直接輸送したり、近隣のインランドコンテナデポを活用したりすることによって、港からの空コンテナ輸送を削減する仕組みです。SUBARU車の海外生産部品の輸出を行う(株)スバルロジスティックスはこの取り組みを2017年7月より導入し、CO2排出量の削減に取り組んでいます。

コンテナラウンドユースの考え方

コンテナ充填率の改善

SUBARU車のCKD部品の梱包・輸送を行っている株式会社スバルロジスティックスでは、梱包のスリム化や梱包資材の軽量化などの荷姿改善により、コンテナ内の無駄なスペースを削減するコンテナ充填率改善に取り組んでいます。これらの改善により2017年度の重量充填率は98.4%に達し、容量充填率は88.3%まで向上しました。今後もコンテナ充填率を改善し、輸送の効率化に取り組んでいき、CO2排出量の削減につなげていきます。

※CKD:Complete Knock Down、完全現地組み立て


コンテナ充填率の推移

部品供給の効率化

SUBARUでは、部品供給の効率化を目的に、2013年10月から2016年10月にかけて、国内4カ所にエリア部品センターを設置しました。
これに伴い、従来国内SUBARU販売特約店44社へ個別に輸送していた部品を、4カ所のエリアからの輸送へ見直しを行なったことで、2016年度には輸送時のCO2排出量を2012年度比で64.8%削減することができました。

天然ガス車両の導入

米国SUBARU生産拠点であるSubaru of Indiana Automotive, Inc.(SIA) では、同社の部品輸送を担当するベンチャーロジスティックス社と連携し、天然ガス車両の導入を進めています。
圧縮天然ガス(CNG)は、ディーゼル燃料に比べて環境負荷が低い上、コスト効率・信頼性の面でも優れていますが、天然ガスを供給するスタンドが近隣にないことが課題でした。SIAではベンチャー社に対してCNGトラックの導入費用として2014年に100万ドル超を融資すると共に、SIAの所有地に天然ガススタンドを設置し、導入の促進を図りました。その結果、天然ガストラックの導入により、CO2排出量は一日当たり1,097トンを削減(導入前比85%の排出量に相当)。燃料費についても、ディーゼル燃料使用時に比べ、累計389,136ドルの削減となりました。

販売における取り組み

国内販売特約店における省エネルギーの取り組み

SUBARU販売特約店では、温室効果ガスの排出量削減のため、老朽化更新のタイミングで、照明のLED化と 空調機の高効率タイプへの切り替えを順次行っています。

オフィスにおける取り組み

環境先進ビルの導入

2016年4月に竣工した群馬製作所にある新西本館は、環境負荷低減のためのさまざまな環境技術を採用しています。太陽光発電パネルで20kWの発電を行い、太陽熱集熱パネルにより太陽熱を厨房の給湯に利用しています。また、高効率LED照明には、個別アドレス式制御、撮像式人感センサーを組み合わせた新世代照明システムを採用。空調機には、高効率空冷ヒートポンプチラーを導入しました。

この他にも、遮熱・断熱効果の高い窓ガラスLow-E複層ガラスや、換気塔から取り入れた外気を、地下免震層を経由させて予冷・予熱を行って各階に取り入れるクールヒートトレンチを採用。建物設計上でも、日射遮蔽効果と憩いの空間を創出するバルコニーを設けるなど、機械のみに頼らず省エネルギーと快適な職場環境の両方に寄与するいくつもの工夫を施しています。

バルコニーの庇効果による日射遮蔽

2018年4月に竣工したSubaru of America, Inc.(SOA)の新本社ビルとトレーニングセンターは、LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)認証システム(米国グリーンビルディング協会[USGBC:US Green Building Council]が運営している環境性能評価システム)に基づき、環境への影響を配慮した設計となっています。SOAでは来年度のLEED認証取得に向け今後活動を推進していきます。

環境への影響を配慮したSOA新本社ビルとトレーニングセンター

エネルギーに関する基本的な考え方

エネルギーの使用の合理化等に関する法律に基づき、照明機器をはじめとする設備・装置の交換や再生可能エネルギーの利用などを通じて、省エネルギーに取り組んでいます。

エネルギー使用量

2017年度のエネルギー使用量は前年に対し、6,841㎘増加しました。
主な原因は自動車の生産台数増加によるものですが、最新の省エネ設備や再生可能エネルギーの導入により、引き続きさらなる省エネを目指します。

対象範囲

(株)SUBARU

国内グループ会社:
輸送機工業(株)、富士機械(株)、イチタン(株)、桐生工業(株)、(株)スバルロジスティクス、産業機器(株)、SUBARU販売特約店
海外グループ会社:
Subaru of Indiana Automotive, Inc.、Subaru of America, Inc.、Subaru of Canada, Inc.、Subaru of Mississauga, Inc.、Subaru Research & Development, Inc.

(株)SUBARUは省エネ法の届出に基づいて算定しています。

再生可能エネルギーの導入

2017年度に建設したスバル研究実験センター建屋および富士機械(株)大泉工場に、太陽光発電設備を導入しました。太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用は、CO2を排出しないエネルギー源として、ますます重要な選択肢となっています。また、エネルギー源多様化による安定供給の確保としても有効的です。群馬製作所大泉工場では、国内最大級(約5,000MWh/年)の太陽光発電設備を導入し、約2,370t-CO2のCO2削減を計画しています。

スバル研究実験センター
富士機械株式会社大泉工場

東京事業所では事務本館屋上に10kw 2基を2009年12月と2014年3月に、5kw を2014年1月、守衛所に2kw 1基を2014年3月に、特別高圧変電所に2.7kwを2016年に太陽光発電設備を導入し、年間33,809.7kWhを発電し、東京事業所の電力の一部として有効活用しています。

また、2014年には群馬県桐生市内に売電事業として定格出力420kw(戸建住宅 100軒分相当)の太陽光発電設備を導入し、年間427,706kWhを発電し売電する事業を開始しました。

戸建住宅100軒分相当の太陽光発電設備

環境に配慮した部品センター兼トレーニングセンターの開設

2013年6月にオープンした、Subaru of America, Inc.のニュージャージー州フローレンスの部品センター兼トレーニングセンターは、環境に配慮した建物に与えられるLEED認証を取得しています。同施設には、1MWの発電能力を持つ太陽光発電設備を屋上に設置し、従来に比べ消費電力が約半分の新型サーバーを導入しています。
また、2017年度には照明器具をLED電球に切り替え、全体の電力消費量を13.13%削減しました。

1MWの太陽光発電設備
フローレンスの部品センター兼トレーニングセンター

循環水マイクロ水車発電の設備導入

東京事業所では、一部の研究施設において冷却用循環水を利用したエネルギー回収システムとして、循環水マイクロ水車発電(2.9kw)を2014年1月に設置導入し、年間約13,000kWh(一般家庭約3世帯分相当)を発電しています。これは、施設内の循環水配管に発電機と一体になった水車を取り付け、水の落差で回転させて発電するものです。この発電で作り出した電力は、循環水ポンプに使用しています。



「とちぎふるさと電気」の導入

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