地球環境と事業活動の関わり

自動車と航空宇宙事業を柱とするSUBARUグループは、原材料調達から商品の製造、使用、廃棄に至る製品ライフサイクル全体へのかかわりと責任を持っています。
SUBARUグループは、サプライチェーン全体を俯瞰できる組織的特性を活かして、あらゆる事業活動において、気候変動への対応、生物多様性など地球規模の環境課題に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献します。

組織体制

当社では、環境方針や環境ボランタリープランの目標を達成するために、全社統合EMS(環境マネジメントシステム)と環境委員会の2つを軸に、組織横断的に環境管理体制を構築しています。
環境担当役員が全社統合EMSの代表と環境委員会の委員長を兼務し、年2回定期的にレビューを実施し、重要な問題は経営会議や取締役会に報告しています。全体の進捗および取り組みの方向性を総合的にマネジメントすべく、活発に環境保全活動を推進しています。

SUBARUグループの環境管理組織体制

SUBARUグループの環境管理組織体制(2017年6月末時点)

環境マネジメントシステムの構築状況

当社は、SUBARUグループ全体の環境管理体制構築にも積極的に取り組み、環境マネジメントシステムを事業所、お取引先様、国内外の連結生産会社、国内外のSUBARU販売特約店において構築し、外部認証を取得しています。
2011年3月には、メーカー系自動車販売店では国内初となる全販売特約店44社・全700拠点のエコアクション21認証取得し、環境省が推進する「エコアクション21バリューチェーンモデル事業」を導入しました。
また、当社の北米生産拠点であるSIAでは、2012年5月にエネルギーマネジメントシステム(EnMS)の国際規格である「ISO50001」認証を米国内の自動車生産工場として初めて取得しており、現在も積極的に活動を進めています。
更に、株式会社スバルロジスティクスが2013年2月に「ISO14001」、2015年8月に道路交通安全マネジメントシステムの国際規格である「ISO39001」、2016年2月に品質マネジメントシステムの「ISO9001」を取得しました。

他にも、SUBARUグループとしてグローバルな事業活動を通じ、サプライチェーンにおけるグリーン調達、当社9事業所の統合環境マネジメントシステムの構築と環境負荷物資削減のためのグリーン調達をさらに推進していきます。

SUBARUグループのEMS / EnMS構築状況(2017年6月末時点)

工場・オフィス 販売店
区分 株式会社
SUBARU
取引先 国内連結生産・物流会社 海外連結
生産会社
国内連結
自動車販売会社
海外連結
自動車販売会社
対象 統合EMS
群馬製作所
東京事業所
埼玉製作所
宇都宮製作所
 半田工場
 半田西工場
本社
グリーン調達
資材調達取引先
富士機械株式会社
桐生工業株式会社
株式会社イチタン
輸送機工業株式会社
株式会社スバルロジスティクス
エフ・エー・エス株式会社
富士重工ハウス株式会社

計7社
SIA 国内の
全SUBARU
販売特約店

計44社
SOA
SCI

計2社
取得
EMS/EnMS
ISO14001 ISO14001・
エコアクション21
自主診断のいずれか
ISO14001 ISO14001
ISO50001
エコアクション21 ISO14001

エコアクション21 バリューチェーンモデル事業導入

当社は2011年に自動車メーカーとして初めて全特約店、全拠点で「エコアクション21」の認証を取得し、運用を促進しています。その実績が認められ、環境省よりさらなる普及促進のための「バリューチェーンモデル事業第一号」に認定されました。今後はエコアクションの認証機構であるIPSuSから指導・支援を受けながら、「エコアクション21」をグループへ展開・促進を図っていきます。

IPSuS:一般社団法人 持続性推進機構 エコアクション21などの事業者関連の取り組みと、サプライチェーンを活用した製品・サービス関連の取り組みを統合し、持続可能な社会の構築に向けた新たな取り組みを自ら研究し、企画し、これを実行していく組織

お取引先様への環境マネジメントシステムの要請

サプライヤーCSRガイドライン

サプライチェーン温室効果ガス排出量

2016年度のサプライチェーン温室効果ガス排出量は2,898万t-CO2となりました。
当社は、環境省の「環境情報開示基盤整備に向けたサプライチェーン温室効果ガス排出量算定支援」事業に参加し、株式会社NTTデータ経営研究所からスコープ3算定支援を受けました。
今後も、排出量の把握、管理を進めていきます。

スコープ3詳細

区分 カテゴリ 温室効果ガス排出量(t-CO2 算定範囲、他
上流 1 購入した製品・サービス 7,156,385 国内と海外
2 資本財 519,870 国内と海外
3 スコープ1、2に含まれない燃料
及びエネルギー関連活動
63,603 国内と海外
4 輸送、配送(上流) 717,777 国内と海外
5 事業から出る廃棄物 20,000 国内と海外
6 出張 4,238 国内と海外
7 雇用者の通勤 11,434 国内と海外
8 リース資産(上流) - 非該当
下流 9 輸送、配送(下流) - 非該当
10 販売した製品の加工 3,396 国内と海外
11 販売した製品の使用 19,164,729 国内と海外
12 販売した製品の廃棄 592,140 国内と海外
13 リース資産(下流) - 非該当
14 フランチャイズ 49,583 国内と海外
15 投資 - 非該当

環境リスクマネジメント

当社は、事業活動における環境リスク(環境事故・汚染・法令違反など)の定期的な抽出とマネジメント推進を図ることで、未然防止と最小化に努めています。
また、環境リスク発見時のマネジメントフローなどを標準化し、平常時に訓練することで、緊急対策や再発防止対策を速やかに実施し、混乱による二次リスクが生じないように努めています。
東京事業所では、ガソリンやオイル等が所内の路上で漏洩したことを想定し、土壌や下水流入に伴う汚染を最小限とする漏洩緊急対応訓練を、2016年11月に実施し、204名が参加しました。
今後も事故未然防止の行動につながるよう、定期的な訓練を実施していきます。

環境関連事故発生時フロー

環境関連法規制等の順守状況

当社は、環境関連法規制等の順守、苦情“ゼロ”、環境事故“ゼロ”に取り組んでいます。過去5年間の状況を以下に示します。

環境関連法各規制値超過、環境事故、苦情発生件数の推移

2016年度環境関連法規制等の順守状況

環境関連法の各規制値よりも20%厳しい値を自主基準値として設定し、自主基準を含む基準値超過"ゼロ"を目標に取り組んでいます。法基準値超過が1件発生、再発防止策を実施しました。

事業所名 件数 発生状況 主な再発防止
埼玉製作所 騒音1件 夜間の騒音規制値を超過しました。 冷却水ポンプの整備不良が原因であった為、整備を実施し、対策を致しました。
苦情の発生はございません。

2016年度にいただいた環境苦情

環境苦情"ゼロ"を目標に取り組んでいます。5件の環境苦情をいただきました。

事業所名 件数 発生状況 主な再発防止
群馬製作所 臭気2件 臭気の苦情をいただきました。 設備改善の実施、材料対策に着手しており、臭気低減に向け取り組みを行っております。
騒音2件 騒音苦情をいただきました。 塗料供給装置の油圧ポンプ、フィルターを交換し、対策を致しました。また、継続監視による変化の気づきと迅速な対応、工場近隣とのコミュニケーション強化を図っております。
宇都宮製作所 騒音1件 フォークリフト修理音による苦情をいただきました。 即座に作業を中止して謝罪を致しました。原因、是正対策を説明し、ご納得をいただきました。その後の苦情はございません。

2016年度環境事故の発生状況

構外・構内の事故"ゼロ"を目標に取り組んでいます。構外事故はありませんでしたが、構内事故が3件発生、再発防止策を実施しました。

事業所名 件数 発生状況 主な再発防止
群馬製作所 水質2件 建設工事現場から、濁り水が構内水路・油分分離槽へ流出いたしました。構内流出に留め、構外流出はございません。 工事作業責任者への教育継続実施、透視度計による水質管理を追加致しました。
宇都宮製作所 水質1件 屋根塗装工事において完全に乾燥しない状態で雨が降り、水性塗料が構内へ流出しました。構内流出に留め、構外流出はございません。 作業スケジュール前後の状況を確認し、作業指示を出すように致しました。

環境会計【SUBARUグループの2016年度実績】

環境コストの考え方と算出方法

環境省のガイドラインを参考に、当社の環境保全活動組織に合わせた独自のガイドライン(2005年度集計から一部算出方法を変更)を策定し、これに基づき環境コストを算出・集計しています。(グループ企業も同様に算出・集計しています。)
算出方法詳細につきましては、2006環境・社会報告書別冊データ編の9ページから13ページに掲載しておりますのでご参照ください。

環境コスト・設備投資額の算出方法

環境対応に関わる設備(投資額25百万円以上)の投資額・関連費(維持管理費等)および労務費は、差額または按分集計を行っています。
例えば、ある生産設備について、省エネルギーに関する投資額、環境コストは以下のように算出します。

設備投資額、環境コスト=
{(投資総額-省エネ目的なしの場合の投資額)/投資総額}×(該当生産設備の設備投資額、維持管理費など)

設備投資額が25百万円未満の小規模設備は、環境対応目的に限り設備投資額と維持管理費等のコストの全額を計上しています。
また、キャッシュフロー重視の観点から投資設備の減価償却費は環境コストに計上しておりません。その他、固定資産税・保険料等少額の費用は、計上を省略しています。環境設備による環境コスト、経済効果は、設備稼働の翌年から3年間のみ計上しています。

2016年度集計結果について

環境コストは単独で345億円となり前年度より22.1億円(6.8%)、連結で362億円となり24.9億円(7.4%)増加しました。
これは環境コストの中で、研究開発コストの増加(単独:21.5億円)が大きく影響したことによります。
連結環境経営指標の環境コスト/売上高は1.09%となりました。

2016年度の環境コストおよび効果の集計結果

項目 分類 環境コスト金額 (百万円) 環境投資金額 (百万円)
単独 連結 単独 連結
16年度 15年度 14年度 16年度 15年度 14年度 16年度 15年度 14年度 16年度 15年度 14年度
(1)







①公害防止コスト 410 479 389 677 656 549 1,346 206 206 1,372 656 656
②地球環境保全コスト 49 21 21 77 43 142 175 39 39 228 93 93
③資源循環コスト 617 547 540 1,176 1,144 1,011 9 0 0 9 3 3
(2)






リサイクル関連費用、製品原材料変更費用 340 129 122 340 129 122
(3)






環境調査費用
環境マネージメント費用
環境教育費用
80 77 81 159 143 142
(4)






環境負荷低減のための研究開発費用 32,535 30,389 28,462 33,238 31,328 28,786 4,017 2,546 2,302 4,232 2,568 2,324
(5)






環境保全団体への寄付等 98 91 84 102 95 88
(6)








土壌・地下水汚染の修復のための費用等 359 124 147 381 126 149 0 0 0 0 0 0
(7)





  0 0 0 0 0 0
合計 34,488 32,278 29,845 36,151 33,664 30,990 5,546 2,790 2,547 5,842 3,320 3,076

注:小数点以下第一位を四捨五入していますので、表記数字の合計が一部合わないところがあります。

2016年度の経済効果の集計結果

項目 経済効果金額(百万円)
単独 連結
省エネルギーによるエネルギー費用の低減 10 47
リサイクル品売上(有価物売却;金属類、廃液、ダンボール) 2,117 3,665
その他 1 1
合計 2,128 3,713

【連結集計対象企業】
国内関連企業5社:輸送機工業(株)、富士機械(株)、(株)イチタン、桐生工業(株)、(株)スバルロジスティクス
海外関連企業5社:SIA、SOA、SRD、SCI、SOMI

環境コミュニケーション

当社は、ステークホルダーの皆様との関わりを大切に考え、ステークホルダーの皆様に安心し、信頼していただける企業となるべく、CSRレポートやインターネットなどの各種媒体を通じて、環境報告書や環境会計、環境保全活動事例集などを幅広く社会に向けて発信しています。

GPNエコ商品ねっとへの情報掲載

グリーン購入ネットワーク

GPNエコ商品ねっと掲載
この商品はグリーン購入ネットワーク(GPN)が運営する『エコ商品ねっと』に当社の判断で掲載しています。同サイトは、GPNが掲載商品を推奨するものではなく、商品選択の際に比較可能な環境データを提供するものです。

地域住民とのコミュニケーション

群馬製作所では、日頃から工場や寮・社宅に隣接している地域住民の皆様とコミュニケーションを行っています。行政区の区長様や副区長(区長代理)様のお宅へ各工場の係長が毎月訪問し、当社イベントのご案内しながら、地域での出来事や当社への困りごとの情報交換をさせて頂いております。
また年1回、群馬製作所の現況や環境の取り組みについてご説明を行うとともに、実際に工場を視察しご覧になって頂く事で更なる活動の理解を深めて頂いております。

環境教育

環境問題への取り組みを企業の社会的責任として捉え、従業員に対するさまざまな環境教育を各階層・各業務に応じて実施しています。

2016年4月には、自動車部門の新入社員391名、本社新入社員206名に対し、「新入社員環境保全教育」を実施しました。講師を務めた環境担当者が、地球環境問題やSUBARUの環境方針・環境保全活動について、一人ひとりが取り組むことの重要性に関して事例を含めて説明しました。

また、ISO14001環境マネジメントシステムの内部監査体制および各職場の環境保全活動の強化に向け、「ISO14001内部監査員養成セミナー」を開催しました。このセミナーでは、2日間にわたり外部から講師を招き、内部監査員としての知識を習得しました。

従業員が日ごろから環境問題や環境効率を十分に意識して事業活動や環境活動に取り組むことが重要であると考え、さらなる環境教育・啓発を進めていきます。


「エコプロ2016」に出展

2016年12月、日本最大級の環境展示会「エコプロ2016(旧称エコプロダクツ)」に出展し、スバルインプレッサの展示を通じて、その環境性能・総合安全性能をご紹介しました。

また、商品を通じた環境への取り組みにとどまらず、国内外で実施しているゼロエミッション活動やスバルオブチャイナにおける森林保護活動、再生重油によるシクラメン栽培の事例など、当社ならではの環境への考え方・取り組みのご紹介のほか、ゲーム感覚で環境が学べるキネクトを活用した体験型環境教育を実施しました。

このほか、被災地復興支援クレジットへの参加を通じて、出展に伴い発生するCO2排出量10.8t-CO2カーボンオフセットし、二酸化炭素の削減に取り組みました。

キネクト: マイクロソフトから発売されたジェスチャー・音声認識によって操作ができる機器。

「エコプロ2016」に出展 2日目子供向けプレゼン

「エコプロ2016」に出展 最終日ブース風景

「エコプロ2016」に出展 カーボンオフセット証明書

インディアナ州立博物館のエコサイエンスフェアへの協賛

2016年4月、インディアナ州立博物館で、小学生から高校生1,000人以上が参加するエコサイエンスフェアが開催され、SIAは自社で取り組んでいるリサイクル活動を発表するブースを出展し、あわせてエコサイエンスに関するプロジェクトに取り組む学校へ$3,000の寄付を行いました。
SIAは継続しこのイベントを支援していきます。

社外からの評価

CDPでAマイナス認定

当社は、2016年10月25日に公表された「CDP 気候変動レポート」において、最高ランク「A」に次ぐ評価である「A-(マイナス)」企業に認定されました。

CDP: 827の機関投資家の皆様(運用資産100兆米ドル)が連携し運営する非営利団体。世界の先進企業に環境戦略や温室効果ガスの排出量の情報開示を求めて質問状を送り、その回答を分析・評価して、投資家様に開示している。

DBJ環境格付けにおいて最高ランクを初取得

株式会社日本政策投資銀行(以下DBJ)が実施する「DBJ 環境格付」において、「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」という最高ランクの格付を、当社として初めて取得しました。「DBJ 環境格付」は、DBJが開発したスクリーニングシステム(格付システム)により、企業の環境経営度を評点化し、優れた企業を選定し、得点に応じて3段階の金利を適用する「環境格付」の手法を用いた世界で初めての融資メニューであり、2004年より運用されています。
今回の格付評価においては、当社がSUBARUブランドの自動車製造を中核事業としており、完成車メーカーとして求められる各国の厳格な環境規制に対応すべく、サプライヤーも含めた徹底したリスク管理に基づく高度な環境経営を推進している点が評価されました。

当社は、平成28年5月日本政策投資銀行(DBJ)より環境格付融資を受けました。

インディアナ州知事環境優秀賞受賞

SIAは、「エネルギー/再生可能資源部門」において2016年インディアナ州知事環境優秀賞を受賞し、インディアナ州環境局より表彰を受けました。この賞は、同州において最も優れた環境戦略を実践している企業に贈られるもので、部品輸送トラックを天然ガストラックに切り替えたことにより、CO2排出量を一日あたり1,097トン削減(導入前比85%の排出量に相当)した実績が評価されました。
SIAがこの賞を受賞するのは、2003年の「リサイクル・リユース部門」、2006年の「5年間の継続的な改善部門」、2014年の「エネルギー/再生可能資源部門」に続き、今回で4回目となります。

スバル オブ チャイナの公益活動へ国連から感謝状

スバル オブ チャイナ(SOC)は「森林中国」の招待を受け、「森林中国」代表団の一員として国連で開催された「地球を救う」芸術展に参加しました。「森林中国」は、中国林学会や光明日報社、中国光華科技基金会、中国野生動物保護協会などの機関および中国政府部門が共同で設立された公益主体です。SOCは、「森林中国」に協賛し、共同で「31の森」公益活動を実施してきました。
今回の芸術展は、2016年にSOCの「31の森 星の旅 第4季」活動の一つである「美しい家園を描こう」というイベントが、中国の環境保護への大きな貢献を評価され、招待されたものです。国連からSOCの生態保護への取り組みに対し、公益感謝状が授与されました。