資源循環の考え方

SUBARUグループにとって、循環型社会(モノの循環および循環をベースとして成立する事業活動からの資源効率化)の構築は、製造業を営む企業として深く関わりのある重要なテーマと捉えています。

自動車の開発・調達・製造・輸送・廃棄という製品のライフサイクルのなかで、可能な限り早く、短くし循環させること、国内外生産工場の埋め立てゼロを継続すると共に、今後は事業活動のなかで一次元高い、統合的な取り組みでの3R(リデュース・リユース・リサイクル)を目標に循環型社会の構築を図っていきます。

具体的には、SUBARUの「環境ボランタリープラン」の1テーマに「資源循環」を掲げ、それに基づいた取り組み計画を着実に実行していきます。

原材料のリサイクル

SUBARUでは、クルマの材料に占める割合の高い鉄、アルミニウム、プラスチックなど新たに投入する材料に、SUBARUのクルマを生産時に発生した端材や、スクラップ、回収した使用済み製品などを再使用することで、天然資源消費量の削減、環境負荷物質の低減、廃棄物の削減となるクローズド・ループ・リサイクルに取り組んでいます。

2018年度にクルマに使用した材料 リサイクル方法
575,580トン 鉄スクラップとして専門業者へ引き渡し、業者にて再利用
アルミニウム 18,975トン 工場内で再度溶解し、ほぼすべて再利用
プラスチック 23,267トン 工場内で再度粉砕し、一部再利用

<アルミニウム再利用>

※生産時に発生した廃棄物、スクラップや、回収した自社の使用済み製品を、同じ品質の部品の材料として再生し、再び同種製品に採用する手法のこと。

廃棄物

2018年度の廃棄物排出量は前年に対し、5,188トン減少しました。
主な原因は自動車生産台数の減少によるものですが、廃棄物は貴重な資源として捉え、回収し極力再利用化や適切な廃棄物処理を行い、埋め立てゼロを継続しています。

排出量

対象範囲:
SUBARU:群馬製作所、東京事業所、宇都宮製作所、半田工場、半田西工場
国内グループ会社:輸送機工業(株)、富士機械(株)、イチタン(株)、桐生工業(株)、(株)スバルロジスティクス、産業機器(株)
海外グループ会社:Subaru of Indiana Automotive, Inc.、Subaru of America, Inc.、 Subaru Canada, Inc.、Subaru Research & Development, Inc.

※売却金属くずを含みます。

バーゼル条約2付属文書Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳに定められた有害廃棄物の輸出入はしていません。

関連情報

使用済み自動車の処理

日本の自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)に基づき、自動車メーカーは自ら製造した自動車が使用済自動車となった際に、自動車破砕残さ(ASR)、エアバッグ類、フロン類を引き取り、これを適正にリサイクルすることが義務づけられています。
SUBARUは、使用済自動車から発生するASR、エアバッグ類、フロン類の3品目の引き取り・再資源化が確実かつ円滑に行われるよう取り組み、高い水準のリサイクル率を安定的に維持することを目指しています。SUBARUは自動車メーカーなど13社で設立した「ART(呼称:エイ・アール・ティー)」を通じて、ASRの適正なリサイクルを円滑かつ効率的に推進しています。また、エアバッグ類・フロン類のリサイクルに関しては、国内自動車メーカーおよび輸入業者と共同で設立した一般社団法人自動車再資源化協力機構を通じ、適正処理を行っています。
2018年度は「ASR」の再資源化率が97.6%となり、2015年度以降の法定基準である70%を達成しています。
またエアバッグ類についても法定基準の85%を上回る94.4%を達成、フロン類についても引き取った全量を適正に処理しました。

※ART(Automobile shredder residue Recycling promotion Team)とは、自動車破砕残さリサイクル促進チームのこと。自動車メーカー13社が2003年12月に結成。リサイクルが義務づけられている特定再資源化物品のうち、シュレッダーダスト(自動車破砕残さ)について、そのリサイクルを適正、円滑かつ効率的に実施するための企画を行うチーム。

関連情報

自動車リサイクルの流れ

リサイクル配慮設計の推進

SUBARUでは、限りある資源を有効に活用していくために、リサイクルを考慮したクルマづくりを推進しています。

生産における取り組み

工場における廃棄物削減の取り組み

国内外の生産工場において、2004年度から廃棄物のゼロエミッションを継続達成しています。

2018年度全事業所の廃棄物発生量と処理の概要

集計範囲:群馬製作所、東京事業所、宇都宮製作所、半田工場、半田西工場

なお、外部中間処理後の埋め立ては発生していません。


※産業から排出される廃棄物や副産物を他の産業の資源として活用し、結果的に廃棄物を生み出さないシステム。国連大学(UNU)が1994年に提唱した概念。



主な廃棄物と再資源化方法

主な廃棄物 主な再資源化方法
排水処理場汚泥 セメント原料
塗装カス 製鉄用還元剤
廃プラ RPF(固形燃料など)
紙くず 再生紙・RPFなど

物流における取り組み

梱包資材の再利用

SUBARU車の海外生産用部品の梱包・輸送を行っている株式会社スバルロジスティクスでは、梱包資材の再利用化(リユース)を柱に、環境負荷低減活動に積極的に取り組んでいます。
2018年度のリユース梱包資材の取扱量は、前年度に対し11%増の776トンとなりました。この要因は、米国で新規に生産が開始された「アセント」の梱包資材の一部統一を進めたものの、部品の出荷の増加によるものです。

今後も引き続き梱包資材の再利用化を拡大し、環境負荷低減に積極的に取り組んでいきます。


  2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
リユース量(t) 523 550 652 699 776
原単位(kg/台) 2.5 2.3 1.9 2.0 2.1

販売における取り組み

国内販売特約店のゼロエミッション

SUBARU販売特約店では、環境保護のため、事業活動において排出される廃棄物の適正処理活動を2012年4月から強化しています。

従来の処理方法の見直しはもとより、再資源化を目的として各産業体や企業との連携・協力のもと、ゼロエミッション活動を展開し、国内での資源循環を目指しています。活動内容は、使用済み鉛バッテリー・廃オイル・使用済みタイヤなど、多岐にわたり展開中です。これらの結果、2018年度は使用済鉛バッテリー回収数117,929個(鉛資源1,511トン)、使用済オイル5,494㎘、使用済タイヤ190,739本を回収し再資源化しました。

ステークホルダーに一番近い販売特約店のゼロエミッション活動は、より身近な環境保全活動であると共に、企業責任の明確化と資源の再資源化による有効活用および適正処理を推進し、商品に加え、安全・安心な環境が提供できるものと考えています。

廃油の再資源化

SUBARU販売特約店でオイル交換時に発生する廃油は、SUBARUが構築したゼロエミッションスキームにより、再生重油として再資源化されています。山形県の園芸農家では、この再生重油をハウス暖房用燃料として利用し、毎年きれいなポインセチアやシクラメンを育てています。このシクラメンをSUBARUのイベントやエコプロ展に来場された皆様に配布しました。

園芸農家で栽培されているポインセチア

使用済タイヤの再資源化

SUBARU販売特約店にて交換・回収したタイヤは破砕されゴムチップ化し、発電所、製紙会社(パルプ)、製鉄所などの燃料に再利用しています。この様なサーマルリサイクルの他に、舗装材の一部資源として再利用しています。

これは、使用済タイヤをゴムチップ化したものをアスファルトに混ぜたり、アスファルトの表層に敷設したりするもので、駐車場や児童向け広場、競技場、病院・老人ホームの歩道など目的に応じてゴムチップの配合を変えて活用することができます。廃タイヤの表面部分だけでなく、ワイヤーやゴム材などに分けながらタイヤを細分化しゴム部分のすべてをチップ化し舗装材としてリサイクルする取り組みは、自動車メーカーとして初となります。

ステラタウン内児童向けアニマル広場

海外における取り組み

Subaru of Indiana Automotive, Inc. 2004年より埋め立てゼロを継続

Subaru of Indiana Automotive, Inc.(SIA)は、米国内の自動車工場としては初めて2004年に埋め立てゼロを達成し、現在も継続に向けて様々な改善を行っています。

2018年度は、塗装工程での養生に使用するマスキングテープの幅を見直しした結果、約2.2トンの使用量を削減できました。

※養生: 塗装部分以外の箇所に塗料が付かないようにすること。

バンパー塗り分けのためのマスキング

Subaru of America, Inc.、リサイクル困難な廃棄物のリサイクル率向上へTerraCycle®と協働

Subaru of America, Inc.(SOA)は、2018年4月よりリサイクル率向上のためのプロジェクト「Subaru Loves the Earth」の一環として、米国のリサイクル会社TerraCycle®と協働して、これまでリサイクルが困難とされてきた様々な廃棄物のリサイクルを促す「TerraCycle®Zero Waste™Box」プログラムを始めました。

米国内の販売店にてお客様や従業員、各地域のパートナー団体の皆様にTerraCycle®のリサイクル回収ボックス「TerraCycle®Zero Waste™Box」を配布し、お菓子の包装材の他、使い捨て紙コップや蓋、コーヒーフレッシュの容器など、リサイクルが困難だとして可燃ごみや埋め立てごみとして処理されてきた廃棄物をボックスに入れて、販売店に持ち込んでいただいています。こうして集められた廃棄物は、TerraCycle®を通じて公園のベンチやピクニック用テーブル、公園の遊具などに生まれ変わり、各地域のパートナー団体などに寄付されています。2019年4月からは、ラリースポーツイベントでもリサイクル回収ボックスを設置し、廃棄物のリサイクルを積極的に展開していきます。

本プログラムの開始1年足らずで、米国内の販売店約540店の参加を通じて集まった約100万個の廃棄物をリサイクルすることができました。

モータースポーツイベントで設置されたリサイクル回収ボックス

米国国立公園での埋め立てゼロに向けた共同事業の継続

Subaru of America, Inc.(SOA)は、米国SUBARU生産拠点であるSubaru of Indiana Automotive, Inc.(SIA)での埋め立てゼロの知見を活かし、ヨセミテ国立公園(カリフォルニア州)、デナリ国立公園・自然保護区(アラスカ州)、グランドティトン国立公園(ワイオミング州)の国立公園から排出され埋め立てられるごみの削減を目指して、2015年からお取引先様、保全協会、国立公園局などと共同事業を進めています。
具体的には、国立公園内でのごみの削減やリサイクル率の向上、公園職員の意識の向上や地域での協働の促進、観光客への啓発などに取り組んでいます。2015年の開始以来、公園内に500個以上のごみ箱を新たに設置した他、有機ごみのコンポスト化を推進したり、水の補給ステーションを増やしたりするなどの取り組みにより、3カ所の国立公園でのごみ排出量は着実に減少しています。また、イベントなどを通じて、公園を訪れた3万3,000人以上の方々にも啓発を行うことができました。
なお、SOAはNational Park Foundation(NPF)に対して、2018年度は210万ドルを寄付し、2013年から支援を開始して以来、寄付額は累計6,800万ドルとなりました。これはお客様がSUBARU車を購入またはリースされた際にSUBARUが一定額を寄付するとして行ってきたものです。また、2019年4月に開催されたニューヨーク国際オートショーでは、国立公園を疑似体験できるブースで展示を行いました。なお、このブースの素材の大半はリサイクル可能な素材を使用しており、終了後は今後のオートショーやその他イベントで再利用する他、リサイクルや寄贈を行う予定です。

国立公園を再現したSUBARUブース