総括:気候変動への基本的考え方と具体的な取り組み

気候変動への考え方

「大地と空と自然がSUBARUのフィールド」と謳うSUBARUにとって、自然がもたらす恵みは欠かすことができません。
昨今、頻発化・被害の甚大化が激しい異常気象に代表される気候変動問題は人類共通の脅威であり、その原因と指摘されている「人々の生活から排出される温室効果ガス(以下、便宜的に「CO2」と表現)の削減」は、社会とSUBARUの持続可能な成長を実現するため必要不可欠な取り組みと考えます。

この考えに基づきSUBARUグループは、2015年のパリ協定で採択された、「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃未満に抑える」目標の達成に向け、商品の環境性能向上はもちろんのこと、クルマの原材料採掘、製造、輸送、使用、廃棄というライフサイクル全般にわたり地球環境保護に取り組みます。

商品への取り組み

SUBARUは地球温暖化の要因の一つと言われるCO2の排出量を削減するためには、商品の環境性能である燃費をいかに向上させるかが重要であると考えます。従来のガソリンエンジン車での燃費改善を進める一方、電動車の車種の拡充、さらには年々厳しさを増す各国燃費規制を見据えたEV開発を推し進め、CO2排出量の削減に積極的に取り組みます。

ガソリンエンジン車での燃費改善として、2018年7月に発売された「フォレスター」には、空力性能を向上させたボディに高圧縮比化、排気側へのAVCS(Active Valve Control System:可変バルブタイミング機構)採用などにより、燃焼効率を向上させた「新開発2.5L直噴エンジン」を搭載し、スモールSUVとしてクラストップレベルの燃費性能を実現しました。2019年秋に米国で発売を予定している、新型「アウトバック/レガシィ」にも同ガソリンエンジンが搭載され、改良型CVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)との組み合わせでさらなる燃費性能向上が図られています。

一方、電動車の車種の拡充として、「フォレスター」※1には「SUBARU XV」で定評のある、水平対向エンジンと電動技術を組み合わせた新開発のパワーユニット「e-BOXER」※2を搭載しました。また、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)の持つハイブリッド車技術に関する知見を活用して、SUBARUオリジナルのプラグイン・ハイブリッド車「クロストレック ハイブリッド」を2018年12月から米国で受注を開始しました。今後、2020年代にかけて、これまで培ってきた電動技術とSUBARUらしさを融合させたハイブリッド車の拡大展開を図っていきます。

※1
「Advance」グレードに搭載。
※2
SUBARUらしい走りの愉しさに加え、環境にも配慮した水平対向エンジン+電動技術の総称。

そして、来る本格的な電動化時代への布石として、SUBARUはトヨタとのアライアンスを活用し、2019年6月、中・大型乗用車向けのEV専用プラットフォームおよびCセグメントクラスのSUVモデルのEVをトヨタと共同で開発することに合意したことを公表しました。トヨタが仲間づくりに取り組んでいる電動化技術とSUBARUが長年培ってきたAWD(全輪駆動)技術を活用するなど、両社の持つ技術の強みを持ち寄ることで、EVならではの魅力ある商品づくりにチャレンジし、2020年代前半の発売を目指します。

生産段階の取り組み

SUBARUが直接排出するCO2(スコープ1および2)は、スコープ3も含めた全体から見ると僅かとも言えます。しかし、SUBARUはバリューチェーン全体で地球環境保護にチャレンジすることを環境方針に掲げており、SUBARU自らが率先して直接排出のCO2削減に取り組むことは、オールSUBARUとしての活動をより充実させていくことに繋がるものと考えます。
そこで、私たちは直接排出するCO2(スコープ1および2)を、2030年度までに総量ベースで2016年度比30%削減する目標を設定しました。さらに、待ったなしの気候変動問題に少しでも貢献するため、計画の一部を前倒しで取り組みます。これは、再生可能エネルギーなどの導入により、2020年度までに年間排出量の約3%に相当する、約2万t-CO2の削減を目指すものです。

地域との協働:「SUBARUの森」

SUBARUは地域の自然資本を保全するため、CO2の吸収源でもある森林の保全活動に注力しています。
具体的には、「SUBARUの森」活動を展開しており、SUBARUの事業と関わりの深い群馬県、栃木県宇都宮市、北海道美深町をフィールドに、関係自治体と協定を結び、地域の森林保全に取り組んでいます。

背景:気候変動に関する主なリスクと機会

リスクと機会に関する考え方

仮に気候変動への対策を怠った場合(無対策の場合)、日本・北米をはじめとするSUBARUの市場は深刻な影響を受けることとなり、SUBARUの事業は持続することができません。SUBARUは、パリ協定の趣旨である「2℃を十分に下回る水準」を長期的なゴールと定め、様々な要素を踏まえつつ、短中期的な達成シナリオを分析しています。
商品については、SUBARUが展開する市場の各国政府などが定める燃費規制を念頭に、IEAや関係政府などが描く電動化シナリオ、市場の電動化の進捗や社会インフラの整備状況、お客様の実用に耐えうる技術、適正な収益の確保、商品の上流・下流での低炭素化・脱炭素化の進捗などを総合的に勘案しつつ、様々なシナリオを検討しています。
生産については、日本のNDC(Nationally Determined Contribution:国が決めた貢献)や日米の低炭素エネルギーの安定供給と調達価格、政府が推進する電源構成の進捗および炭素価格づけ(カーボンプライシング)などを勘案しつつ、2030年度目標を立案しました。現在、省エネルギー活動を基本としつつ、省エネルギー機器の導入や再生可能エネルギーの導入などを考慮した取り組み計画(環境アクションプラン)の策定を進めています。

【認識した主なリスク】

商品について

①日本、米国、欧州、中国の燃費規制に合致しない場合、法令違反に基づく罰金・過料やクレジット購入など、負のインセンティブが生じ、SUBARUは追加の費用や損失を被る可能性があります。また、一定の燃費水準を満たさない場合には、商品の販売機会が制限される可能性があります。

②顧客ニーズを満たさない段階での急激な電動化は、ニーズに合致しない開発費の発生や顧客満足度の低下を引き起こし、不測の損失や販売機会の減退につながるだけでなく、商品の電動化の進行が滞る可能性があります。

③電動化は、調達・使用・廃棄にいたるすべての過程で、収益性を確保しつつ低炭素化、脱炭素化を行うことが重要であり、SUBARU商品の上流・下流を巻き込んだ全体での取り組みが進まない場合には、商品のライフサイクル全体でその目的を達成できない可能性があります。

④中長期的な視野では電動化は着実に進むものと考えており、ある段階で一気に市場への浸透が進む可能性があります。その時点で、適切な技術と商品を備えていない場合には、商品の販売機会に重要な影響を与える可能性があります。


生産段階について

①化石燃料由来のエネルギーを使用し続けた場合、石油などの地政学的な要因によるものの他、政府の炭素税や排出枠規制などの対象となり、コストが上昇する可能性があります。

②中長期的な視野では、再生可能エネルギーが主力になると考えます。ただし、現時点ではコストや安定供給の面で課題があり、費用対効果にも配慮する必要があります。


事業運営全般について

①低炭素化・脱炭素化への取り組みが不十分な場合、SUBARUブランド価値が毀損し、人材採用や販売に悪影響を及ぼす可能性があります。また、中期・長期的な視野の投資家などからの資金調達が困難となり、資本コストが上昇する可能性があります。

②現在のパリ協定の各国目標は2℃未満の目標達成には不十分と言われており、各国がより厳格な目標へ見直した場合には、SUBARUのビジネスに重大な影響を与える可能性があります。

【認識した主な機会】

①商品の環境対応が適切に進み、かつ、世界規模で気候変動の適応・緩和も進んだ場合、SUBARUの主力市場を維持できるばかりか、一定規模で発生を避けられない世界各地の異常気象に対しても、SUBARUの強みである安心・安全な商品は一層の支持を得ることができ、新たな市場の創出など、販売機会が拡大する可能性があります。

②気候変動への期待に応えることで、SUBARUのブランド価値が上昇し、人材採用や販売に好影響を与える可能性があります。中長期視野の投資家からの資金調達が容易となり、資本コストの低減につながる可能性があります。

③費用対効果にも配慮しつつ再生可能エネルギーへ移行することで、化石燃料由来のエネルギーに内在する価格変動リスクから解放され、将来のコスト上昇を未然に防げる可能性があります。


※上記のリスク・機会に関しては、過去の事実や現在入手可能な情報に基づいたものであり、将来の経済の動向、SUBARUを取り巻く事業環境などの要因により、大きく異なるものとなる可能性があります。

体制:気候変動関連のガバナンス体制

SUBARUは、社会とSUBARUの持続的成長、および地球環境の保全に貢献することを目的とした「環境委員会」を設け、将来の社会が要求する環境水準と合致する大局的かつ中長期的な方策(目標など)を議論すると共に、それらの進捗を評価しています。
環境委員長は、サステナビリティ推進部担当取締役専務執行役員が務めます。
環境委員会で行われた議論などの内容は、CSR委員会へ報告されます。また、必要に応じて、経営会議および取締役会へ附議・報告される体制を整備・運用しています。

気候変動関連のガバナンス体制

☆国内関連企業部会構成会社
※グループ認証

KPI:目指す方向

SUBARUは直接排出(スコープ1,2)のCO2を2030年度までに総量ベースで2016年度比30%削減を目指します。
その一環として、まずは2020年度までに年間総排出量の約3%にあたる、約2万t-CO2削減を目指し、取り組みを進めています。

<2020年度までにCO2を削減するための主な取り組み>
開始年度 取り組み CO2削減量
2018年度 1 宇都宮製作所南工場および南第2工場におけるCO2排出ゼロ電力(とちぎふるさと電気)の導入 5,400t-CO2
2 本社エビススバルビル・スバル総合研修センターにおけるグリーン電力証書・グリーン熱証書活用 1,000t-CO2
2019年度 3 群馬製作所大泉工場への自家消費型太陽光発電設備の導入 2,600t-CO2
4 SUBARU ACCESSORY CENTER・関東納整センターへの自家消費型太陽光発電設備の導入 330t-CO2
5 群馬製作所本工場および東京事業所におけるCO2排出ゼロ電力(アクアプレミアム)の導入 10,200t-CO2

2万t-CO2削減に向けたSUBARUの主な取り組み

実績

2018年度のサプライチェーン温室効果ガスの排出量(スコープ1,2,3)は2,775万t-CO2でした。
SUBARUは、環境省の「環境情報開示基盤整備に向けたサプライチェーン温室効果ガス排出量算定支援」事業に参加し、株式会社NTTデータ経営研究所からスコープ3算定支援を受けました。今後も、排出量の把握、管理を進めていきます。

CO2排出量(スコープ1、スコープ2)
CO2排出量(スコープ3)

CO2排出量(スコープ1、スコープ2)

CO2排出量

対象範囲:
(株)SUBARU
国内グループ会社:輸送機工業(株)、富士機械(株)、イチタン(株)、桐生工業(株)、(株)スバルロジスティクス、産業機器(株)、SUBARU販売特約店
海外グループ会社:Subaru of Indiana Automotive, Inc.、Subaru of America, Inc.、Subaru of Canada, Inc.、Subaru Research & Development, Inc.

<集計範囲および排出係数の変更>
本年度より、SUBARUのCO2排出量を、地球温暖化対策推進法の調整前温室効果ガス排出量から調整後温室効果ガス排出量に変更しています。この影響については、2014年度に遡って変更後の方法で修正再表示を行っています。

CO2排出量(スコープ3)

スコープ3詳細

区分 カテゴリ 温室効果ガス排出量(t-CO2 算定範囲、他
上流 1 購入した製品・サービス 7,418,726 国内と海外
2 資本財 372,211 国内と海外
3 スコープ1、2に含まれない燃料
およびエネルギー関連活動
78,815 国内と海外
4 輸送、配送(上流) 1,162,964 国内と海外
5 事業から出る廃棄物 28,361 国内と海外
6 出張 4,446 国内と海外
7 雇用者の通勤 11,996 国内と海外
8 リース資産(上流) - 非該当
下流 9 輸送、配送(下流) - 非該当
10 販売した製品の加工 4,027 国内と海外
11 販売した製品の使用 17,375,396 国内と海外
12 販売した製品の廃棄 556,250 国内と海外
13 リース資産(下流) - 非該当
14 フランチャイズ 53,531 国内と海外
15 投資 - 非該当

※2013年度に環境省の「環境情報開示基盤整備に向けたサプライチェーン温室効果ガス排出量算定支援」事業に参加し、株式会社NTTデータ経営研究所の支援を受けた算定方法で算出。

生産における取り組み

SUBARUは、エネルギーの使用の合理化等に関する法律に基づき、中期目標(第6次環境ボランタリープラン)を掲げ、照明機器をはじめとした設備・装置を省エネルギー機器へ交換を実施し、定量的なCO2削減に取り組んでいます。

省エネルギーの取り組み

最新の省エネ設備を導入

自動車の塗装工程では「温める」「冷やす」を繰り返す必要があり、大量のエネルギーを必要とします。そこで群馬製作所矢島工場では、ヒートポンプを中心とした高効率の熱源システムを2018年に新たに導入し、従来技術(個別熱源システム)に比べて、温冷熱を効率良く作り出しています。
これにより、2018年度はCO2排出量を2,221t-CO2削減(2017年度比▲39%)しました。


コジェネレーション設備の更新

群馬製作所にて最初に導入したコジェネレーション設備が稼働開始より15年を迎えたため、老朽設備の更新を実施しました。
(2019年2月より稼働開始)
更新にあたり、直近の使用エネルギー構成を考慮し、より一層省エネルギーに寄与する仕様での機種を選定しました。


新旧性能比較 (旧 ⇒ 新)
※旧型は熱電比率可変型ガスタービン方式、新型はガスエンジン方式
発電出力 4,200~6,190kW ⇒ 9,730kW
蒸気発生量 3.0~9.4t/h ⇒ 5.2t/h
発電+蒸気効率 49.8~80.9% ⇒ 63.5%

稼働開始から3カ月間で旧型稼働時と比較してCO2排出量を1,532t-CO2削減しました。


Subaru of Indiana Automotive, Inc.(海外における取り組み)

  1. 最新型のエアコンプレッサーとドライヤー設備に交換し、消費電力を約707,069kWh削減しました。
  1. 一部作業工程の見直しを行い、工程中の圧縮エアナイフ工程を廃止した結果、消費電力を約354,794kWh削減しました。

物流における取り組み

SUBARUにおける環境負荷の低減

SUBARUは、第6次環境ボランタリープランに基づき、グループ全体で物流会社、販売会社と協働することで、完成車や輸出部品などの輸送効率化を推進し、CO2排出量の削減に取り組んでいます。


完成車の輸送における取り組み

完成車の輸送における最適な標準ルートを設定し、輸送する完成車の車種構成の変化、大型化へ柔軟に対応すると共に、積載効率向上、省エネに寄与するデジタルタコグラフ※1導入、モーダルシフト※2の推進など、輸送の効率化を進めることで環境負荷低減に努めています。

完成車の輸送ルートの集約化および平準化により、2018年度のSUBARU車1台あたりの輸送時CO2排出量は、2006年度比毎年1%減の目標に対し5.8%減となりました。今後もさらなる削減に向けて取り組んでいきます。

※1
自動車の走行時間や走行速度などの運行記録を自動的に記録し、メモリーカードなどに保存するシステム。業務として自動車を運行する業種における運行管理システムとして導入が進められつつある。急加速・急減速、アイドリングの無駄、危険運転などを明確に「見える化」することができるため、安全運転意識の向上、燃料使用量の削減を図ることができる。
※2
貨物輸送をトラック輸送から環境負荷の小さな鉄道輸送や船舶輸送に切り替えること。

輸出部品における取り組み

輸出部品の輸送における最適なコンテナへの充填率の設定、ラウンドユース導入※1、インランドコンテナデポ※2活用など、輸送の効率化を進めることで環境負荷低減に努めています。

SUBARU車の海外生産用の部品の梱包・輸送を行っている株式会社スバルロジスティクスでは、梱包のスリム化や梱包資材の軽量化などの荷姿改善により、コンテナ内の無駄なスペースを削減するコンテナ充填率改善に継続的に取り組んでいます。2018年度の充填率は、米国で生産される「アセント」の梱包仕様が大型化となり、前年度に対し9.4%減の78.9%となりました。


  2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
充填率 83.2% 84.0% 88.7% 88.3% 78.9%

また、2017年7月よりラウンドユースの取り組みを導入し、2018年度のCO2排出量は、前年度に対し、600トンの削減となりました。
今後もコンテナ充填率の改善や輸送ルートの効率化に取り組み、さらなるCO2削減に向けて積極的に取り組んでいきます。

※1
輸入に用いた後の空の海上コンテナを港に戻さず輸出に転用するもので、輸入者から輸出者に直接輸送し、港からの空コンテナ輸送を削減する。
※2
海上コンテナ物流の陸上部分の輸送体系を見直し、荷主の物流コストの低減や物流の効率化を図るため、内陸部(インランド)にあるコンテナ貨物の集貨拠点。

輸送車両における取り組み

米国SUBARU生産拠点であるSubaru of Indiana Automotive, Inc.(SIA)では、同社の部品輸送を担当するVenture Logistics(以下、Venture社)と連携し、天然ガス車両の導入を進めています。
圧縮天然ガス(CNG)は、ディーゼル燃料に比べて環境負荷が低いうえ、コスト効率・信頼性の面でも優れていますが、天然ガスを供給するスタンドが近隣にないことが課題でした。SIAではVenture社に対してCNGトラックの導入費用として2014年に100万ドル超を融資すると共に、SIAの所有地に天然ガススタンドを設置し、導入の促進を図りました。その結果、天然ガストラックの導入により、CO2排出量は1日あたり1,097トンを削減(導入前比85%の排出量に相当)。燃料費についても、ディーゼル燃料使用時に比べ、累計389,136ドルの削減となりました。

販売における取り組み

国内販売特約店における省エネルギーの取り組み

SUBARU販売特約店では、温室効果ガスの排出量削減のため、老朽設備更新のタイミングで、照明のLED化と空調機の高効率タイプへの切り替えを順次行っています。

工場における取り組み

工場における地球温暖化対策として、一部の工場の屋根に、断熱塗料を塗布する他、断熱シートを張り、太陽光による輻射熱を抑制することで、工場内の気温上昇を抑える対策を展開しています。
2018年度は、宇都宮製作所、SUBARU ACCESSORY CENTERなどに実施しました。
また、関連企業含め一部先行して照明のLED化を展開し、約5,000台を蛍光灯などからLEDへ交換しました。それにともない、CO2を年間約660t-CO2削減しました。

工場屋根への断熱シート張り付け

オフィスにおける取り組み

グリーン証書の活用

本社エビススバルビル・スバル総合研修センターでは、消費する電力および熱を対象にグリーン電力証書・グリーン熱証書の制度を活用してCO2排出ゼロのオフィスを目指しています。
活用初年度である2018年度は、約1,000t-CO2削減しました。

環境先進ビルの導入

環境負荷低減のための環境技術を利用(群馬製作所)

2016年4月に竣工した群馬製作所にある西本館は、環境負荷低減のための様々な環境技術を採用しています。太陽光パネルで20kWの発電を行っています。また、高効率LED照明には、個別アドレス式制御、撮像式人感センサーを組み合わせた新世代照明システムを採用。空調機には、高効率空冷ヒートポンプチラーを導入しました。

この他にも、遮熱・断熱効果の高い窓ガラスLow-E複層ガラスや、換気塔から取り入れた外気を、地下免震層を経由させて予冷・予熱を行って各階に取り入れるクールヒートトレンチを採用。建物設計上でも、日射遮蔽効果と憩いの空間を創出するバルコニーを設けるなど、機械のみに頼らず省エネルギーと快適な職場環境の両方に寄与するいくつもの工夫を施しています。

バルコニーの庇効果による日射遮蔽

LEED認証取得を目指した取り組み(Subaru of America, Inc.)

2018年4月にニュージャージー州カムデンに竣工したSubaru of America, Inc.(SOA)の新本社ビルとトレーニングセンターは、環境への影響を配慮した建物に与えられるLEED認証の取得を目指して設計した建物です。2018年10月に、新本社ビルがLEED認証のなかでも標準認証よりレベルの高いシルバー認証を取得しました。現在トレーニングセンターについても認証取得申請中です。
LEED認証は、コストや利用資源の削減と共に、人々の健康に良い影響を与えることに配慮し、また再生可能なクリーンエネルギーの導入・利用を促進することで、地球環境の保全に寄与することを目指すものです。SOAはLEED認証取得のためにプロジェクトを立ち上げて取り組んできました。このプロジェクトが、2019年3月、米国グリーンビルディング協議会ニュージャージー州支部から、2019年の革新的なグリーンプロジェクトの一つとして表彰されました。

※LEED認証:LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)は、米国グリーンビルディング協会(USGBC:US Green Building Council)が開発・運営する、環境に配慮した建物に与えられる認証制度。建築全体の企画・設計から建築施工、運営、メンテナンスにおける省エネルギーや環境負荷を評価することにより、建物の環境性能を客観的に示すことができることから、米国を中心にLEED認証の取得が拡大している。


環境への影響を配慮したSOA新本社ビルとトレーニングセンター

外部との協働

SUBARUは気候変動について、サプライヤーやお客様、業界団体などと協働することにより、対応を図っています。
サプライヤーの選定や管理メカニズムに、気候関連問題を含めた気候変動KPI(重要業績指標)を盛り込んだ行動規範を定め、オリエンテーション時に共有および徹底を図っています。またサプライヤーが自主的にISO14001を取得したことで、環境関連の事故・不具合などが減少しました。Tier2のお取引先様が希望すれば、エコアクション21の認証取得を支援する独自の仕組みも構築し、運用しています。

国内の販売特約店約700社のすべてがエコアクション21の認証を取得しており、定期的な環境監査を受けることで環境対応・コンプライアンスの維持が担保されています。またSUBARUグループが独自の環境報告データシステムでつながっており、環境データ(エネルギー、CO2、廃棄物、水などの使用量)が逐次把握できる仕組みとなっているため、万が一環境関連のトラブルが発生した場合でも、適時対応が可能です。

また、連結子会社でない国内の販売特約店15社とGHG(温室効果ガス)排出量管理システムを共有しています。エコアクション21説明会を開催し、エコアクション21のデータ集計システムを共有することで、GHG削減方法や有効性に関して意見交換を行い、お客様へ気候変動に関する影響を周知するエンゲージメントキャンペーンを実施しています。

業界団体である一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)の気候変動対策に関する委員会に、メンバーとして参加しています。また代表取締役社長および取締役専務執行役員は、JAMA役員として機関決定に参加し、JAMAの決定はSUBARUの中期経営ビジョン「STEP」に反映されています。

※自動車メーカーに部品を供給する二次請けの企業。

エネルギーに関する基本的な考え方

エネルギーの使用の合理化等に関する法律に基づき、照明機器をはじめとする設備・装置の交換や再生可能エネルギーの利用などを通じて、省エネルギーに取り組んでいます。SUBARU全社において、建物の照明機器を、2025年度を目処にLEDなどの高効率照明に切り替え、省エネ・CO2削減に向け取り組んでいます。照明機器交換によって、年間約1,388,052kWhの電力削減ができました。

エネルギー使用量

2018年度のエネルギー使用量は前年度に対し、6,691㎘増加しました。
今後、最新の省エネ設備や再生可能エネルギーの導入により、エネルギー削減を目指します。


対象範囲:
(株)SUBARU
国内グループ会社:輸送機工業(株)、富士機械(株)、イチタン(株)、桐生工業(株)、(株)スバルロジスティクス、産業機器(株)、SUBARU販売特約店
海外グループ会社:Subaru of Indiana Automotive, Inc.、Subaru of America, Inc.、Subaru of Canada, Inc.、Subaru Research & Development, Inc.

(株)SUBARUは省エネ法の届出に基づいて算定しています。

再生可能エネルギーの導入

2017年度からスバル研究実験センター建屋および富士機械株式会社 大泉工場に、太陽光発電設備を導入しました。太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用は、CO2を排出しないエネルギー源として、ますます重要な選択肢となっています。また、エネルギー源多様化による安定供給の確保としても有効的です。群馬製作所大泉工場では、国内最大級(約5,000MWh/年)の太陽光発電設備を導入し、年間約2,600t-CO2のCO2削減を目指し2019年度に計画しています。
加えて、SUBARU ACCESSORY CENTER、関東納整センターへも順次拡大し導入する計画です。

スバル研究実験センター
富士機械株式会社大泉工場

東京事業所では太陽光発電設備を事務本館屋上に10kW 2基を2009年12月と2014年3月に、5kWを2014年1月に、守衛所に2kW 1基を2014年3月に、特別高圧変電所に2.7kWを2016年に導入し、年間33,809.7kWhを発電し、東京事業所の電力の一部として有効活用しています。

また、2014年度には群馬県桐生市に定格出力420kW(戸建住宅100軒分相当)の太陽光発電設備を導入し、年間427,706kWhを発電し売電する事業を開始しました。

戸建住宅100軒分相当の太陽光発電設備

環境に配慮した部品センター兼トレーニングセンターの開設

2013年6月にオープンした、Subaru of America, Inc.のニュージャージー州フローレンスの部品センター兼トレーニングセンターは、1MWの発電能力を持つ太陽光発電設備を屋上に設置すると共に、従来に比べ消費電力が約半分の新型サーバーを導入しています。
また、2017年度には照明器具をLED電球に切り替え、全体の電力消費量を13.13%削減しました。

1MWの太陽光発電設備
フローレンスの部品センター兼トレーニングセンター

SUBARUグループが2018年度に再生可能エネルギーにより発電した電力は8,940MWh、消費電力は8,131MWhでした。

CO2排出ゼロの水力発電由来の電力「アクアプレミアム」の導入

CO2排出ゼロの水力発電由来の電力のみを販売する料金プランである「アクアプレミアム」を、群馬製作所本工場および東京事業所で購入する電力の一部に導入します。これにより、当社は約1万t-CO2(年間発電量:21GWh相当)の削減を見込みます。

循環水マイクロ水車発電の設備導入

東京事業所では、一部の研究施設において冷却用循環水を利用したエネルギー回収システムとして、循環水マイクロ水車発電(2.9kW)を2014年1月に設置導入し、年間約13,000kWh(一般家庭約3世帯分相当)を発電しています。これは、施設内の循環水配管に発電機と一体になった水車を取りつけ、水の落差で回転させて発電するものです。この発電で作り出した電力は、循環水ポンプに使用しています。

地産地消型の電気メニュー「とちぎふるさと電気」

航空宇宙カンパニー宇都宮製作所(栃木県宇都宮市)の南工場および南第2工場において、栃木県が保有する水力発電所を電源とした、全国初の地産消費型の電気メニュー「とちぎふるさと電気」を2018年4月より導入しています。
本メニューの導入により、SUBARU航空宇宙カンパニー宇都宮製作所の年間総CO2排出量の約15%に相当する、約5,400tのCO2削減を見込んでいます。また、本メニューを通じてSUBARUが支出する電気料金の一部は、栃木県内の環境保全事業などに活用される予定です。

※「とちぎふるさと電気」とは発電時にCO2を排出しない栃木県内8カ所の県営水力発電所で発電した電力を使用するため、電力使用にともなうCO2排出量をゼロにすることができる、栃木県企業局と東京電力エナジーパートナー株式会社が提供するメニューです。