環境に配慮したクルマへの考え方

世界的な気候変動の要因の一つと言われるCO2排出量削減に向けた継続的な取り組みは、自動車メーカーの社会的責任であると考えます。SUBARUグループでは、2015年のパリ協定で採択された温度上昇を2℃未満に抑える目標の達成に向け、商品の環境性能向上はもちろんのこと、クルマの原材料採掘、製造、輸送、使用、廃棄というライフサイクル全般にわたり地球環境保護に取り組みます。

新車CO2排出量削減への取り組み

SUBARUは地球温暖化の要因の一つと言われるCO2の排出量を削減するためには、商品の環境性能である燃費をいかに向上させるかが重要であると考えます。従来のガソリンエンジン車での燃費改善を進める一方、電動車の車種の拡充、さらには年々厳しさを増す各国燃費規制を見据えたEV開発を推し進め、CO2排出量の削減に積極的に取り組みます。


本格的な電動車時代の到来を前に、従来のガソリンエンジン車へのお客様ニーズはいまだ高く、ハイブリッド車も電動技術とガソリンエンジンとの組み合わせであり、内燃機関の進化はCO2排出量削減には必須です。2018年7月に発売された「フォレスター」には、空力性能を向上させたボディーに高圧縮比化、排気側へのAVCS(Active Valve Control System、可変バルブタイミング機構)採用などにより、燃焼効率を向上させた「新開発2.5L直噴エンジン」を搭載し、スモールSUVとしてクラストップレベルの燃費性能を実現しました。2019年秋に米国で発売を予定している、新型「アウトバック/レガシィ」にも同ガソリンエンジンが搭載され、改良型CVT(Continuously Variable Transmission、無段変速機)との組み合わせでさらなる燃費性能向上が図られています。

新開発2.5L直噴エンジン

一方、電動車の商品ラインアップ拡充も計画的に進めています。「フォレスター」※1には「SUBARU XV」で定評のある、水平対向エンジンと電動技術を組み合わせた新開発のパワーユニット「e-BOXER」※2を搭載しました。また、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)の持つハイブリッド車技術に関する知見を活用した、SUBARUオリジナルのプラグイン・ハイブリッド車「クロストレック ハイブリッド」を2018年12月から米国で受注を開始しました。今後、2020年代にかけて、これまで培ってきた電動技術とSUBARUらしさを融合させたハイブリッド車の拡大展開を図っていきます。

※1
「Advance」グレードに搭載。
※2
SUBARUらしい走りの愉しさに加え、環境にも配慮した水平対向エンジン+電動技術の総称。
クロストレック ハイブリッド

そして、SUBARUはトヨタとのアライアンスを活用し、来る本格的電動化時代への次なる布石を打ちました。2019年6月、中・大型乗用車向けのEV専用プラットフォームおよびCセグメントクラスのSUVモデルのEVをトヨタと共同で開発することに合意したことを公表しました。トヨタが仲間づくりに取り組んでいる電動化技術とSUBARUが長年培ってきたAWD(全輪駆動)技術を活用するなど、両社の持つ技術の強みを持ち寄ることで、EVならではの魅力ある商品づくりにチャレンジし、2020年代前半の発売を目指します。

共同開発するEV専用プラットフォーム(イメージ)

SUBARUは、商品開発において「先進の技術で環境に貢献できる商品を開発、社会に提供」することで地球環境保護への貢献を目指しており、引き続き実用性とお客様の嗜好を鑑みつつ、電動車の開発とラインアップの拡充を推進し、環境対応車の比率を順次向上し、市場ごとに充実させていく予定です。

車種ごとのCO2に関するライフサイクルアセスメント(LCA)

SUBARUでは、自動車のLCA全体(原材料採掘、製造、輸送、使用、廃棄の各段階)の環境負荷低減活動を束ね、製品1台分の環境負荷を明確化して環境負荷低減を図っていくために、LCAを実施しています。

※LCA:ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment)は製品やサービスに対するプロセスの総合的な環境性能を評価する環境影響評価手法のこと。

ライフサイクルアセスメント

排出ガスのクリーン化

低排出ガス認定車の向上と普及

2018年度より、WLTPを排ガス試験手順に取り入れた新排出ガス規制に対応し、国土交通省「2018年基準排出ガス50%低減レベル」の認可を取得致しました。 今後も順次、新排出ガス法規への適応を進めて参ります。

※Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)

ガソリン乗用車の低排出ガス車比率の推移

環境負荷物質の低減

SUBARUでは自動車の環境負荷低減にも積極的に取り組んでいます。
開発車における一般社団法人日本自動車工業会の削減目標を達成すると共に、鉛・水銀のさらなる削減や、臭素系難燃剤などの環境負荷物質の代替を進めています。

日本自動車工業会における環境負荷物質削減目標と実績

削減物質 目標 SUBARUの対応実績
2006年1月以降1996年比、1台あたりの使用量1/10以下 全モデル目標達成(2006年1月より目標達成を継続)
水銀 2005年1月以降以下を除き使用禁止
(交通安全の観点で使用する以下の部品は除外)
(1)ナビゲーションなどの液晶ディスプレイ
(2)コンビネーションメーター
(3)ディスチャージランプ
(4)室内蛍光灯
全モデル目標達成(2005年1月より目標達成を継続)
六価クロム 2008年1月以降使用禁止 全モデル目標達成(2008年1月より目標達成を継続)
カドミウム 2007年1月以降使用禁止 全モデル目標達成(2007年1月より目標達成を継続)

車室内VOCの低減

SUBARUでは、人の鼻、喉などへの刺激の原因とされるホルムアルデヒド、トルエンなどの揮発性有機化合物を低減するために、車室内の部材や接着剤の見直しに取り組んでいます。

「レガシィ」「レヴォーグ」「インプレッサ」「フォレスター」「SUBARU BRZ」は、厚生労働省が定めた指定13物質について、室内濃度指針値を下回るレベルに低減し、日本自動車工業会自主目標※1を達成しています。今後もVOC※2低減を進め、さらなる車室内環境の快適化に努めていきます。

※1
自主目標:日本自動車工業会が発表した2007年度以降の新型乗用車(国内生産、国内販売)に対する「車室内のVOC低減に対する自主取り組み」にて、厚生労働省が定めた13物質について、室内濃度を指針値以下にするというもの。
※2
VOC(揮発性有機化合物)とは、ホルムアルデヒドやトルエンなどの常温で揮発しやすい有機化合物。人の鼻や喉などへの刺激の原因とされる。

日本自動車工業会の車室内VOC(揮発性有機化合物)低減に対する自主取り組み