適切な環境マネジメントが環境取り組みの成果を高めます

環境への取り組みは、目指すべきゴールや目標(ターゲット)を設定するだけでは十分ではありません。それらの実現に向けた取り組みを実践し、成果を出す過程も重要であるとSUBARUは考えます。

SUBARUは、1993年度から環境保全自主取り組み計画「環境ボランタリープラン」に取り組み、現在第6次計画(2017年度~2020年度)を推進しています。
環境ボランタリープランの目標達成に向け、ISO14001およびエコアクション21を適宜適切な拠点で導入し、取り組み成果を最大限かつ効率的に創出する仕組み(PDCAサイクル)を整備・運用しています。

社会とSUBARUの持続可能な成長において、中長期の視野で環境への取り組みを実践することが一層求められる現在、SUBARUは事業を通じた貢献をより強化していきます。
その一環として、SUBARUは第6次ボランタリープランが終了する2021年度以降の新計画「環境アクションプラン」の策定に着手しました。既に一部の計画では目標(目指すべき方向)を定め、具体的な取り組み内容の検討と実践を進めています。

取り組み計画と成果

2. 環境アクションプランの策定

様々な環境課題のなかでも、気候変動は特に社会・経済に与える影響が大きく、かつ長期的な視野での取り組みが喫緊の課題として求められています。SUBARUは、気候変動への対応が最も重要な取り組みであると位置づけ、まずはSUBARUグループが直接排出するCO2(スコープ1および2)を2030年度までに30%削減(2016年度比 総量ベース)することを目指します。
成長を続けるSUBARUにとって、CO2を総量ベースで30%削減することは決して容易ではありません。しかし、パリ協定が目指す「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃未満に抑える」ためには、社会が共有する水準を目指すことが重要であるとSUBARUは考えます。
そこで、2030年度までのロードマップを策定し、それに基づく取り組み案の検討を進めています。

【2030年度までのロードマップ】

気候変動への取り組みは差し迫った状況であることを踏まえ、SUBARUは、上記ロードマップ「フェーズⅠ」に基づき、「意欲的なCO2削減を前倒しで実施」を進めています。まずは、2020年度までにSUBARUグループが直接排出するCO2の年間排出量の約3%に相当する2万t-CO2の削減を達成し、2030年度までの30%削減を目指していきます。

2万t-CO2削減に向けたSUBARUの主な取り組み

関連情報

組織体制

SUBARUでは、環境方針や環境ボランタリープランの目標を達成するために、全社統合EMS(環境マネジメントシステム)と環境委員会の2つを軸に、組織横断的な環境管理体制を構築しています。
環境担当役員が全社統合EMSの代表と環境委員会の委員長を兼務し、原則として年2回定期的にレビューを実施し、環境委員会で行われた議論などの内容は、CSR委員会へ報告されます。また、重要な問題は経営会議および取締役会へ附議・報告をしています。全体の進捗および取り組みの方向性を総合的にマネジメントすべく、活発に環境保全活動を推進しています。

SUBARUグループの環境管理組織体制

☆国内関連企業部会構成会社
※グループ認証

環境マネジメントシステムの構築状況

SUBARUは、グループ全体の環境管理体制構築にも積極的に取り組み、環境マネジメントシステムを事業所、お取引先様、国内外の連結生産会社、国内外のSUBARU販売特約店において構築し、外部認証を取得しています。

SUBARUおよび国内連結生産・物流会社7社(うち5社※印はグループ認証で取得)、北米連結生産・販売会社3社はISO14001認証を取得しています。2011年3月には、メーカー系自動車販売店では国内初となる全国内SUBARU販売特約店44社・全700拠点のエコアクション21※1の認証を取得し、環境省が推進する「エコアクション21バリューチェーンモデル事業」を導入しました。また、SUBARUの北米生産拠点であるSubaru of Indiana Automotive, Inc.(SIA)では、2012年5月にエネルギーマネジメントシステム(EnMS)の国際規格である「ISO50001※2」認証を米国内の自動車生産工場として初めて取得しており、現在も積極的に活動を進めています。

さらに、株式会社スバルロジスティクスが2015年8月に道路交通安全マネジメントシステムの国際規格である「ISO39001※3」、2016年2月に品質マネジメントシステムの「ISO9001※4」を取得しました。

他にも、SUBARUグループとしてグローバルな事業活動を通じ、サプライチェーンにおけるグリーン調達、統合環境マネジメントシステムの構築と環境負荷物資削減のためのグリーン調達をさらに推進していきます。

※1
環境省が策定した中小企業向けの環境保全活動推進プログラム。ガイドラインに基づいて、環境経営システム、環境への取り組み、環境報告の3つの要素に取り組む環境マネジメントシステム。
※2
事業者がエネルギー使用に関して、方針・目的・目標を設定、計画を立て、手順を決めて管理する活動を体系的に実施できるようにした仕組みを確立する際に必要な要求事項を定め、すべての組織に適用できる世界標準の規格。
※3
道路交通事故による死亡者や重症者を削減するために、事故のリスク源を適切に管理し、そのリスクを効果的・効率的に低減させることを求める、道路交通安全マネジメントシステムの国際規格。
※4
国際標準化機構(ISO)が1987年に発効させた国際統一規格としての品質マネジメント規格。ISO9000シリーズのうち、ISO9001(品質マネジメントシステム規格)が認証登録制度となっている。品質の向上を図るためには品質マネジメントシステムを組み込み、体系的に品質管理を進めることが必要であるとの考え方に基づく。

SUBARUグループのEMS/EnMS構築状況

工場・オフィス 販売店
区分 株式会社SUBARU お取引先様 国内連結生産・物流会社 海外連結
生産会社
国内連結
自動車販売会社
海外連結
自動車販売会社
対象 群馬製作所
東京事業所
宇都宮製作所
 半田工場
 半田西工場
本社
グリーン調達
資材調達お取引先様
※富士機械株式会社
※桐生工業株式会社
※輸送機工業株式会社
※株式会社スバルロジスティクス
※エフ・エー・エス株式会社
株式会社イチタン
富士重工ハウス株式会社

計7社
SIA 全SUBARU
販売特約店

計44社
SOA
SCI

計2社
取得
EMS/
EnMS
ISO14001 ISO14001・
エコアクション21
自主診断のいずれか
ISO14001 ISO14001
ISO50001
エコアクション21 ISO14001

※:グループ認証
SUBARUと※印の関連企業とは、ISO14001のグループ認証範囲において、相互内部監査を実施し構築状況を確認しています。

エコアクション21 バリューチェーンモデル事業導入

国内SUBARU販売特約店は2011年3月にメーカー系自動車販売店として初めて全特約店、全拠点で「エコアクション21」の認証を取得し、運用を促進しています。その実績が認められ、2016年11月に環境省よりさらなる普及促進のための「バリューチェーンモデル事業第一号」に認定されました。今後はエコアクションの認証機構であるInstitute for Promoting Sustainable Societies(IPSuS)から指導・支援を受けながら、「エコアクション21」をグループへ展開し、促進を図っていきます。お取引先様のエコアクション21認証登録を支援するなど、バリューチェーンで取り組んでいます。

※一般社団法人持続性推進機構 エコアクション21などの事業者関連の取り組みと、サプライチェーンを活用した製品・サービス関連の取り組みを統合し、持続可能な社会の構築に向けた新たな取り組みを自ら研究、企画し、これを実行していく組織。

スコープ3への対応

温室効果ガスについては、企業に対してサプライチェーン全体の排出量を算出・開示することが社会的に求められています。SUBARUでは、環境省の「環境情報開示基盤整備に向けたサプライチェーン温室効果ガス排出量算定支援」事業に参加し、株式会社NTTデータ経営研究所からスコープ3算定支援を受けており、今後も排出量の把握、管理を進めていきます。スコープ1※1、スコープ2※2、スコープ3※3の詳細パフォーマンスについては、気候変動のページをご参照ください。

※1
企業の自社施設から直接排出される温室効果ガス。
※2
他社から供給された電気・熱・蒸気の使用にともない間接的に排出する温室効果ガス。
※3
スコープ1,2以外の間接排出で、原料調達、輸送、商品使用、廃棄過程の他、従業員の通勤、出張などにより排出される温室効果ガス。

関連情報

気候変動

化学物質管理(IMDSの運用)

REACH規則※1、ELV指令※2、日本化審法※3など、様々な化学物質が規制され、同時に自動車にはどのような化学物質が使われているのか、情報開示や適切な管理が求められています。

SUBARUは、数万点におよぶ自動車の構成部品の一つ一つについて、使用する化学物質の成分や使用量を把握するため、IMDS※4を使ったサプライチェーン管理の強化を進めています。

これにより、禁止物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロムなど)の未使用管理や新たな規制物質の代替推進、またREACH規則などで要求される要管理物質の使用状況について、速やかに情報開示できる管理体制を構築しています。SUBARUはサプライチェーン全体で協力して環境負荷物質の削減・管理を推進しています。

※1
欧州の化学物質規制。すべての化学物質を対象に、人・環境へのリスクに応じた管理・制限を求めるもの。
※2
廃自動車指令。2000年に発効されたヨーロッパ連合(EU)が定めたEUにおける使用済自動車の環境負荷を下げるための指令。有害物質の使用禁止、使用済み自動車やその部品の再利用・リサイクルで廃棄物の削減を促進することを目的としている。
※3
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)は、人の健康を損なうおそれまたは動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止することを目的とする法律。
※4
化学物質管理

IMDSを通じた環境負荷物質の管理システム

関連情報

汚染の予防

外部関連サイト

International Material Data System

環境リスクマネジメント

SUBARUは、事業活動における環境リスク(環境事故・汚染・法令違反など)の定期的な抽出・把握とマネジメント推進を図ることで、未然防止と最小化に努めています。

また、環境リスク発見時のマネジメントフローなどを標準化し、平常時に訓練することで、緊急対策や再発防止対策を速やかに実施し、混乱による二次リスクが生じないように努めています。

実施している環境監査

(1)ISO14001環境マネジメントシステムに基づく定期監査
(2)産業廃棄物適正処理のための委託先現地確認
(3)環境関連法規制および条例など遵守状況の確認・実施

環境関連事故発生時フロー

環境コンプライアンス

環境関連法規制などの遵守状況

SUBARUは、環境関連法規制などの遵守、苦情ゼロ、環境事故ゼロに取り組んでいます。過去5年間の状況は以下のとおりです。


2018年度環境関連法規制などの遵守状況

SUBARUは、環境関連法の各規制値よりも20%厳しい値を自主基準値として設定し、自主基準を含む基準値超過ゼロを目標に取り組んでいます。2018年度の法基準値超過はありませんでした。

2018年度にいただいた環境苦情

環境苦情ゼロを目標に取り組んでいます。しかしながら2018年度は7件の環境苦情をいただき、再発防止策を実施しました。

事業所名 件数
群馬製作所 6件
宇都宮製作所 1件

2018年度環境事故の発生状況

構外・構内の事故ゼロを目標に取り組んでいます。構外事故はありませんでしたが、構内流出事故が6件発生し、再発防止策を実施しました。

事業所名 件数
群馬製作所 5件
宇都宮製作所 1件

環境教育

SUBARUは、環境問題への取り組みを企業の社会的責任として捉え、従業員に対する様々な環境教育を各階層・各業務に応じて実施しています。
2018年4月には、新入社員566人に対し、「新入社員環境教育」を実施しました。講師を務めた環境担当者が、地球環境問題やSUBARUの環境方針・環境活動について、一人ひとりが取り組むことの重要性に関して事例を含めて説明しました。

また、ISO14001環境マネジメントシステムの内部監査体制および各職場の環境保全活動の強化に向け、「ISO14001新任内部監査員養成セミナー」を開催しました。このセミナーでは、2日間にわたり外部から講師を招き、内部監査員としての知識を習得しました。

従業員が日ごろから環境問題や環境効率を十分に意識して事業活動や環境活動に取り組むことが重要であると考え、さらなる環境教育・啓発を進めていきます。

新入社員環境教育

ISO14001新任内部監査員養成セミナー

自動車に関わるSUBARUの環境負荷全体像

注)SUBARUの自動車製造、販売などに関わる主な環境負荷を記載しました。これとは別に、LCAやスコープ1,2,3の算定を行っています。
対象範囲:東京事業所、群馬製作所
エネルギー使用量、CO2排出量:地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」に従い算定
PRTR:国内PRTR法対象化学物質

環境コスト

環境コストの考え方と算出方法

SUBARUの環境保全活動組織に合わせた独自のガイドラインを策定し、これに基づき環境コストを算出・集計しています(グループ企業も同様に算出・集計しています)。

2018年度集計結果について

環境費用はSUBARUグループで317億円となり40.9億円減少しました。
これは環境コストの中で、研究開発コストの減少(単独:41.6億円)が大きく影響したことによります。
連結環境経営指標の環境コスト/売上収益は1.03%となりました。

2018年度の環境コストおよび効果の集計結果

(単位:百万円)

項目 分類 SUBARU単独 連結
2017 2018 2017 2018
投資 費用 投資 費用 投資 費用 投資 費用
(1)事業エリアコスト ①公害防止コスト 452 316 189 433 452 325 189 466
②地球環境保全コスト 112 42 176 11 139 45 314 54
③資源循環コスト 0 618 0 659 4 889 4 809
(2)研究開発コスト 環境負荷低減のための
研究開発費用
2,773 34,504 2,277 30,349 2,884 34,546 2,292 30,388
総合計 3,337 35,480 2,642 31,452 3,479 35,804 2,799 31,717

注:小数点以下第一位を四捨五入していますので、表記数字の合計が一部合わないところがあります。

2018年度の経済効果の集計結果

(単位:百万円)

項目 経済効果金額
単独 連結
省エネルギーによるエネルギー費用の低減 18 22
リサイクル品売上(有価物売却:金属類、廃液、ダンボール) 1,662 1,958
リサイクルによる原材料低減(梱包資材費など) 0 0

【連結集計対象企業】
国内関連企業6社:輸送機工業(株)、富士機械(株)、(株)イチタン、桐生工業(株)、(株)スバルロジスティクス、産業機器(株)